みんさー織ができるまで
みんさー織ができる作業工程は、大きく分けると意匠設計、染色、絣括り、糊張り、巻取りなどの下準備作業を経て、綜絖通し、製織(織り)をして布が出来上がります。その後、多くは加工作業を経て完成品となります。

意匠設計では、五つと四つの絣模様のデザインについて、現代の感覚に沿った五つと四つの絣模様を主にしてテキスタイルデザインを考慮しながら制作します。

創業者である新絹枝(みんさー工芸館館長)の「日常生活の中で使えるものを作る」という当初からの想いを受け継ぎながら、時代にあったものづくりに対して手間を惜しむことはありません。

染色は、地元の材料の草木染などの色を大切に、化学染色の技術も併用して、独自のカラーを生みだすよう心がけています。みんさー織の製品は、素朴な風合いに、八重山の青い海や鮮やかな草花などの自然の色彩を取り入れて表現しています。

みんさー織の最後の工程である織りのほとんどは、技術講習を受けた『織子』という織り専門の職人たちによって(約100名)製織されます。基本の講習は3ヶ月で織子としてスタートしますが、さらに数年間、織りこなして一人前になります。これら織子一人一人の技術が大切な財産といえます。
織子講習会

織子交流会

みんさー織の工程と作業
経巻作業完了までの工程 ※みんさー織の絣を含んだ経糸のこと
| 作業名 | よみ | 内容 |
| 1. 意匠設計 | いしょうせっけい | 伝統的な図柄である五つと四つの絣柄や各種の絣柄を使って、独自の図案にする。 |
| 2. 精錬・漂白 | せいれん・ひょうはく | 糸についている汚れや、不純物を取り除き、綺麗な染色ができるように、針状石鹸、アゾリン、炭酸ソーダを用いて洗浄や漂白をする。 |
| 3. 染色
| せんしょく | 経地糸、縦絣糸、緯糸に分けて、それぞれ意匠設計による糸を染色する。
|
| 4. 糸繰り
| いとくり | 綛(色糸、白糸)をボビンに、または紙菅に巻き取る。 |
| 5. 整経
| せいけい | 図案により、必要な経糸の本数、長さを整える。 |
| 6. 糊付け張り伸し
| のりつけはりのばし | 絣括りをしやすくしたり、整った絣柄にするために、糊付け、張り伸ばしを行う。 |
| 7. 絣括り
| かすりくくり | 糊付け張り伸ばした糸を図案通りにしるしをつけ、手括りをする。 |
| 8. 絣解き | かすりとき | 糸切りばさみを用い、絣括り糸を切って解く。 |
| 9. 仮筬通し
| かりおさどおし | 図案に従って、経糸、地糸の割り込みをする。 |
| 10.巻取り
| まきとり | 巻き台に用い、経糸の張力を一定に保ち、ボール紙をはさみながら、ちぎり箱に巻き取る。 |
織作業完了までの工程
| 作業名 | よみ | 内容 |
| 11. 綜絖通し
| そうこうどおし | 巻き取った経糸を、機にのせ、順序よく綜絖に通す。 |
| 12. 筬通し | おさどおし | 綜絖通しをした経糸を順序よく筬に通す。 |
| 13. 糸繰り | いとくり | 綛(色糸、白糸)をボビンに巻き取る。 |
| 14. 管巻き | くだまき | 緯糸を管巻きを用いて、小管に巻き取る。 |
| 15. 製織
| せいしょく | 木製高機を用いて手織りで製織する。 |
| 16. 検査 | けんさ | 沖縄県伝統工芸産業振興条例の検査規定に基づいて、製品の検査を行う。 |








